合田純人、森繁蔵著。
新泉社。
2011年9月30日発刊。
本書は対談形式で行われているため、とても口語的で読みやすい。
また、何と言っても専門用語や歴史的な偉人や海外の名前など、脚注で解説があるというとても親切な内容である。
お互いに、バブル前、バブル崩壊、そして現代と長きにわたって温泉と社会を見つめて来た二人だから語られる、日本の温泉の歴史や変遷が具に語られている。
とても読みごたえのある内容である。
経済成長の中で、翻弄されて来た温泉郷や旅館、温泉や湯治に関する誤解や課題など、具体的な例や回顧、反省を含めて内容はとても示唆に富んでいる。
温泉という文化を近代化の中で、時代に翻弄されながらも本質を探してきた著者らの葛藤や行動が臨場感を持って感じる事ができる名著だと思う。
温泉や湯治に関わる方ならばぜひ読んでいただきたい一冊である。